アイリッシュフルート
サンプル
メールアドレス  
笛博バナー
08年9月に行われるイベント・万笛博覧会のサイトです。

アイリッシュフルート&ティンホイッスル・ブック
楽器の研究を紹介する別サイトです。
 
リージョナルスタイルを考える
2007年3月23日 12:53

色々なことがかさなり、アイリッシュを演奏する上でのリージョナルスタイルを考える機会があった。リージョナルスタイルというのはアイルランドの地域ごとの演奏スタイルや曲の違いで、交通機関もラジオもなかった昔、音楽は地域に深く結びつき、特に他との交流が難しい僻地ではその地域に特徴的な演奏スタイルが育てられた。リージョナルスタイルは人々も音楽も世界中をとびまわっている現在でもなお、そのスタイルを演奏する代表的な演奏者の影響により再生産されている。

アイリッシュのフィドルの演奏スタイルは地域的な違いが目立ち、僕などが聴いてもドニゴールとスライゴー、ケリーの違いはほぼ判別できると思う。フルートではフィドルほどは地域スタイルが話題になることはなく、特にホイッスルについては明確な地域スタイルはないと思う。
同様に、日本ではそれぞれの地域に関係の深いフィドル演奏者が何人かいらっしゃるけれど、フルートに関しては余り聞いた事がない。
僕自身は特定のスタイルに意識的にコミットしてはこず、無意識のうちに好きとか興味があるかないかで練習をしてきたけれど、最近、本を読んだり古い録音を良く聴き色々発見があり、特定のスタイルを勉強してみたいと思うようになった。

Fintan vallelyの辞典"The companion to Irish traditional music"では、SligoとLeitrimの二つのスタイルが紹介されている。また、http://www.theflow.org.uk/ では、フルートの演奏スタイルについての詳細な解説がある。ここでは、sligo、east galway 、piping styleという3つが紹介されている。とてもわかりやすいとは思うけれど、僕の認識とはちょっと違うと感じる。僕は、Northern、sligo~Leitrim~Roscommon、Clare&east Galway、pipingという4つが思いつく。

Northernはベルファストやフェアマナ、ドネゴールなどで、リズミックな演奏が特徴。ロールを余り使わずに三連符などで代用したり、ロールを使うとしてもちょっとはねてて、タイミングが均等ではないように思う。曲調も独特で、マーチやマーチ調のポルカを演奏することが他より多く感じる。息で一定のパルスを作る特徴の人も多く、音色は息のまじったもの。

sligo~Leitrim~Roscommonはフィドルのsligo Styleととても似ている。比較的速いテンポで、様々な装飾音やロールを多用する。北のスタイルほど跳ねないけど、ドライブ感がある。

Clare~east Galwayは、他のと比較してゆっくりで落ち着いていて、平坦だけれど流れるようなリズム。曲調も他の地域では余りみないCとかGmとか、フラット系も演奏するように思う。リズムよりもメロディックで、経過音に半音を使ったりする印象がある。

Pipingは、イリアンパイプスを模倣したような演奏で、リズムの規則的なパルスよりも一定のテンション、リズムで演奏をしていく感じ。タンギングはほかのスタイルのなかではもっとも少ないように思う。とはいえ、全く使わないわけではないけれど。
それから、Matt Molloyはpiping styleの代名詞としてよく出てくるけれど、それは初期のことで、今の演奏はそれを超越した彼独特のスタイルのように思う。今もっともpipingらしいのはkevin CrawfordやMcGoldrickかな。でも、Piping Styleは曲調やリズム感はsligo Styleに根ざしていると思う。

これらの特徴から、スタイルを区別するポイントはリズム感、アーティキュレーション、曲調になると思う。
北の脈打つような演奏は基本的には聴くのも吹くのも苦手だなあ。もっと北のスコットランドに行くと、それはあまりないので、とても不思議な演奏方法だと思う。クレアの特徴的な曲調は好きだけれど、演奏スタイルに深くコミットしようとは余り思わない・・。

この4つのうちで僕がもっとも関心があるのはPiping Styleで、すなわちSligoの音楽につながる。フィドルの演奏を聴いていても、もっともすきなのはsligoだし、フィドルとフルートのデュオなんて一番好きだ。
ただ、フルートに対して僕は強弱のダイナミクスやタンギング、アーティキュレーションの可能性を強く感じているので(ここが、バロックとの共通点にもなる)、完全にpiping styleにコミットは出来ない。

やはり、なんだかんだ言ってもっとも尊敬するのはChris Normanのパイピング・クラシカル?スタイルということになるのかな・・。でも、アイリッシュをするときは意識してスライゴーの曲やリズムを学んでいこうと思っています。好きな曲もSligo由来のものが多いようです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://irishflute.info/cgi/mt/mt-tb.cgi/24


コメントする



Google

WWW を検索
irishflute.info を検索
RSSアイコンをiTuneのPostcastingにドラッグ&ドロップしてください。音楽がPCにダウンロードされます。

RSSアイコンを右クリックし、ショートカットのコピーをRSSリーダーに追加することで最新の情報をチェックできます。

 
 
Copyright © 2006-2008 Irishflute.info. All Rights Reserved.