最近、基礎練習に力を入れる中で、アイリッシュフルートの演奏で、クラシックフルートのトレーニングでいうところの「お腹の支え」の重要性に気がついた。クラシックフルートのロングトーン練習では、一定の音程と音色、音量を持続しながら息が切れるまで良い音を保つことが要求される。簡単に言うと、息の最初から最後まで音色を統一する、ということになる。その訓練を低音域から高音域まで行う。
アイリッシュ演奏においては、速い運指に意識が集中して、息の部分が軽視されてしまいがちだ。息が乱れると音色の安定感が損なわれてしまう。したがって低音域がすかすかになる、かすれる、息が切れやすいなどの問題が出てきてしまう。
「お腹の支え」を使う、つまり胸郭を息継ぎの瞬間まで下げずに、息への圧力をかけ続けることでもっと安定した演奏が可能になるのではないか。そして息が安定すると返って運指に集中できるようになるのではないだろうか。特に息の安定が求められるパイピング・スタイルにはとても大事なことのように思う。
音色が安定すると、もうひとつ良いことがある。息から音への変換効率が上がるので、ブレスの回数が少なくなりフレーズが伸びる。前は2パートのリールであれば8回くらいブレスが必要だったものが5回ないし4回くらいになってきた。アイリッシュプレーヤーにも、毎日のロングトーンはぜひともお勧めしたい。