昨日の朝、アイルランドはコークのアイリッシュ・フルートメーカー「Hammy Hamilton 」から、ピッコロD管が届きました。新しい笛が届くときは、いつもわくわくするものですね。
通常、オーケストラで使われるピッコロはD管で、ベーム式フルートとほぼ同じシステムでキーがたくさん付いたものです。
you tubeにヴィヴァルディのピッコロ協奏曲の動画があったので、貼ってみます。
それに比べて、今回届いたものは、キーレスアイリッシュフルートをミニチュアにしたような形をしています。音域や長さはティン・ホイッスルとほぼ同じです。Hammy氏はキー付きも作っているのですが、とりあえずはキー無しにしました。大事に使って入れば、後からボディだけ交換もしてくれるとのことです。
アイリッシュ・ピッコロとでも呼ぼうかな?
アイリッシュ・フルートとの長さの比較はこんな感じです。
楽器の名前がいろいろと出ましたが、音域別に整理すると、こんな感じです。
音域が高い: ☆縦笛☆ティン・ホイッスル 同じ音域の横笛☆アイリッシュ・ピッコロ☆
音域が低い: ☆縦笛☆ロー・ホイッスル 同じ音域の横笛☆アイリッシュ・フルート☆
今回のアイリッシュ・ピッコロの到着で、すべてがそろったわけです。このうち、セッションでよく使われるのはティン・ホイッスルとアイリッシュ・フルートです。ロー・ホイッスルやアイリッシュ・ピッコロでダンス曲をバリバリ吹く、というのは殆ど見かけません。僕は、それぞれ全てに独特の良さがあると思っているので、どんどん吹いていきたいと思っています。
せっかくなので、ピッコロのお話をしましょう。
アイルランド音楽で、ピッコロはめったに使われることがありません。笛としてはティン・ホイッスルか、アイリッシュ・フルートを使うのが一般的です。それは、ピッコロは伝統音楽の中ではなくて、軍隊の鼓笛隊として使われてきたからです。
日本では鼓笛隊というとラッパを思い浮かべますが、あちらではバグパイプ又はファイフと、スネアドラムで組織します。ファイフというのは、B bくらいの、ピッコロよりやや大きなサイズの木の横笛です。こういった鼓笛隊を、fife & Drum bandといいます。したがって、伝統音楽とは違った文脈でピッコロが使われてきました。
しかし、年配世代では、ピッコロを使う名人も珍しくなかったようです。John Doonanという人は、録音でフルートとピッコロの両方を使っています。現代では、Chris Norman氏やSkip Healy氏、Harry Bradley氏が効果的にピッコロを使っていますね。
以前、Sweet Heartのピッコロを持っていたのですが、2オクターブ目が非常に音痴で、使い物にならず、お借りした同ファイフを吹いていました。どちらもD管ですが、Sweetheartではピッコロは円錐、ファイフは円筒のようです。ファイフにしても、やはり音程を取るのが難しく、結局は吹かなくなってしまいました。そこで、Hammy氏に注文をしたわけです。
ほか、僕の知っている限りの、ピッコロを作っているメーカー。
Sweetheart
Skip Healy
Terry McGee
Hammy氏のは、歌口が今吹いているアイリッシュ・フルートよりも幅広で楕円形で、チューニングスライドやクラウン(エンドキャップ)がきちんと付いているしっかりしたつくりです。吹いた感想ですが、2オクターブ目は当たりにくいものの心配していた音程はかなり良い感じです。しかし、相当時間練習しないと慣れないだろうなあ…とも思います。3オクターブ目以上は、かなり暴力的な大音響です。
ティン・ホイッスルとは同じ音域なのですが、ティン・ホイッスルとは比べ物にならないくらいパワフルで、おそらくアイルランドの楽器のなかではアコーディオンと並んで最大音量と言っても過言ではないかもしれません。
今後、セッションやライブでどんどん活用していきたいと思います。ご期待ください!